サッカークラブ経営の新潮流、かも

プロスポーツクラブのオーナーは起業家がほどんどでしょう。ただ資産を有しているだけでなく、彼らは経営のプロでもあります。買収したクラブを新たな軌道に乗せる、権利がある人材と言えるでしょう。サッカー界では近年、アラブ系だけでなくアジア系企業家の勢いが凄まじく、インテルのオーナーにインドネジア人、ミラン買収を目論む新オーナー候補もタイ人といった具合に、世界の世相、勢力図の変遷がサッカー界にも反映されているようです。

 

ただ本田圭祐がオーストリア3部クラブを、元イタリア代表のマルディー二がNASL(米2部リーグ)のクラブを買収、またベッカムMLSのクラブ設立に動いたりと元・現役選手による動きも少数派ながらあります。ただ彼らは経営のプロでないため、恐らくその道のプロと共同経営、あるいはパートナーシップ契約を結ぶのかもしれません。推測ですが。。

 

で経営といえばマーケティングは無論、不可欠。国内市場が飽和状態にあり、海外市場に収益を求めて新たなアクションを起こすクラブもあります。近年Jリーグ東南アジアでのマーケティングに力を入れているようですが、実際目に見える効果は日本に住んでいる限り、あまりまだ効果を感じられません。

 

興味深いのは金満クラブと揶揄されるマンチェスター・シティの所有会社が横浜Fマリノス資本提携をしたり、MLBにニューヨーシティFCを設立したりと開拓の余地のあるアジア、北米市場に進出していることです。例えばの話ですが、マンチェスターミランでシティのユニホームを売ろうとしても、現地イタリア人が買うのはインテルミランのユニホームしかなさそうですよね。市場として飽和状態です。狙うのであれば当然、サッカー後進国ながら移民が多く、景気良好の北米、あるいは発展目覚ましいアジアを狙うわけです。

 

驚きべきはマンチェスター・シティのようなビッグクラブだけでなく、スペインのラージョバジェカーノという中小クラブまでもが、このような動きを見せていることです。ラージョの本拠地はマドリードでこの都市には誰もが知るレアルマドリーアトレティコマドリーも存在します。ひとつの都市に3クラブがしのぎを削るという過当競争?なのかどうか不明ですが、ラージョは米国に活路を見いだしました。

 

ラージョはビジネスとして米国NASL(実質2部)に系列チームを設立します。2016年から参戦とのこと。当然ながら1部のMLSを狙っているのでしょう。メキシコのチバスがMLSチバスUSAを設立という動きも過去にありました。当初はメキシコ人選手で固めていたようですが、成績が芳しくなく、メンバーの大幅刷新を図りました。が、メキシコ人がいなくてはチバスではないと不評で今ではMLSから姿を消しています。

 

 

当然ながら系列チームを作ったところで成功の保証は何もありませんが、このラージョという中小クラブが北米に進出するのは何かサッカー界までもが変わろうとしているサインなのかしれません。否、すでに変わっていると見るべきなのでしょう。